馬検所跡

北杜市明野の馬検所跡は、江戸期に駄馬の売買や検査が集約された“馬の市場”の記憶が残る史跡。万治元年に馬のせり市が行われ、宝永7年には藩命で売買がここに限られたとも伝わります。今は静かな畑地の中に碑や説明板が立ち、広角で八ヶ岳方面の空と地平を入れると、往時の往来が想像しやすい。春は菜の花、秋は黄金の稲やすすきが似合い、望遠では碑文や石の風化を寄って写して“時間”を濃く。人や自転車を小さく入れれば、旅の道標のような一枚になります。朝は斜光で刻字が読みやすく、曇天は白飛びせず端正。周囲は生活の場なので、畦に入らず道から切り取りたい。