山梨 赤岳

八ヶ岳連峰の主峰・赤岳（2899 m）は、南北に延びる峰の中央で赤褐色の岩稜を誇り、急峻な山体が朝日を浴びると名の通り朱に染まる。美し森や清里高原から望む赤岳は前景に高原花やカラマツ林を配しやすく、夏はレンゲツツジ、秋は黄金色の唐松が彩りを添えて多層的な構図を作れる。主稜線上では雲を切り裂く稜線がリズミカルなジグザグを描き、望遠で圧縮すればダイナミック。冬季はアイスブルーの雪煙が飛沫となり、岩稜の赤と空の藍が鮮烈にコントラスト。山麓の夜は星天と稜線のシルエットが交差し、タイムラプス撮影にも適した表情豊かな名峰だ。