朝日岳

那須連山の一峰・朝日岳は、栃木県側で茶臼岳の北に位置する1896mの岩峰で、荒々しいガレと切れ落ちた斜面が続くアルペンムード満点の山。稜線上は風が強く、噴煙を上げる茶臼岳や三本槍岳、眼下の峰の茶屋跡避難小屋を一望するパノラマが広がる。春は残雪と枯れ色の斜面がグラフィカルで、夏はガスが切れる瞬間に岩稜が浮かび上がる。秋は紅葉した谷と白い噴煙の対比が見事で、冬は雪庇とエビの尻尾が造形を描く。岩場や鎖場を前景に広角で構え、望遠で火山の起伏を圧縮すれば、那須ならではのダイナミックな火山景観が表現できる。臨場感も抜群だ。