北奥千丈岳

奥秩父の最高峰。針葉樹の林床は苔が美しく、樹間からの光が柔らかい。稜線に出るとゴロ石と低木が続き、雲海や遠望の層がよく出る。夜明けは淡いパステル、日中は陰影のパターン、秋はカラマツ黄葉が斜面を染める。手近な岩や立ち枯れを前景に、層の重なりを圧縮しつつ空の抜けを残すと端正に決まる。風の通り道に合わせて雲の形が変わる瞬間を逃さない。稜線の起伏に合わせて視点を低く構えると前景の苔が大きく写り、空の広さが引き立つ。露出はハイライトを抑え、色温度をやや低めにして澄んだ空気感を強調したい。稜線のわずかな段差にカメラを据え低い視点を作ると良い。