世界遺産日光の社寺

世界遺産日光の社寺は、極彩色の社殿群と深い杉木立、石段や参道が複雑に重なり合う、日本屈指の“情報量の多い”撮影地です。東照宮の彫刻は中望遠で陰影を丁寧に拾い、陽明門や三猿は観光写真だけでなく、切り取り次第で作品になります。輪王寺や二荒山神社では、苔むした石灯籠と参道の奥行きを広角で押さえたいところです。晴天時はコントラストが強いので、曇天や薄曇りを狙うと彩色の階調が豊かに出ます。紅葉や雪の日はさらに表情が増え、同じ構図でも季節違いで通い撮りしたくなるエリアです。冬の雪景色や朝霧の立ちこめる時間帯には、極彩色の意匠が一層浮かび上がり、同じ構図でも光と季節の違いで作品の印象が大きく変わります。