大山寺阿弥陀堂

大山の山気に包まれる阿弥陀堂は、木造の渋さと森の奥行きが主役。参道の石畳、杉の巨木、苔の緑が重なり、到着した瞬間から“空気が撮れる”。朝霧や雨上がりは階調が柔らかく、濡れ木と石の黒が締まって質感が最高になる。24〜35mmで堂と杉木立の層をまとめ、70〜200mmで欄間の彫り、金具、屋根の重なりを切り取ると迫力が増す。石段はローアングルで反復を強調すると強い。紅葉期は自然の額縁、冬は澄んだ空気で輪郭が締まり、参道の落ち葉を前景にすると季節がさらに濃い。モノクロも相性抜群。夏の深い木陰は涼感が強く、音の少なさまで写したくなる。