櫟野寺（いちいの観音様）

甲賀の里山に抱かれた古寺で、日本最大級の木造十一面観音坐像を本尊とすることから“いちいの観音さん”として親しまれています。境内の大イチイガシやカツラの巨木は、幹のうねりと苔の質感だけで迫力ある被写体。秋は紅葉と大イチョウの黄葉が本堂まわりを染め、逆光で葉を透かすと柔らかな色が浮かび上がります。参道の石段や小さな地蔵を標準〜中望遠で丁寧に拾うと“里の信仰”が写ります。本堂内の仏像撮影は規約を確認しつつ、暗部を残した露出で静寂を表現したいところです。近隣の集落風景や田んぼを前景に入れた望遠カットも撮っておくと、“里の観音さま”としてのスケール感が伝わります。