胡宮神社

湖東の丘に立ち、敏満寺の鎮守として残った古社。境内には金堂・大門跡など寺院遺構の気配が点在し、巨石信仰の磐座と社殿が同居するのが面白い。紅葉の穴場で、11月は朱と黄が石段を染め、曇天でも色が沈まない。国重文の銅製五輪塔は青緑の錆と金属の鈍い光が渋く、望遠で刻線を拾うと強い。足下に名神高速を見下ろす眺めもあり、“古い神域と現代”を一枚で撮れる。広角で鳥居と見晴らし、標準で石段の反復、雨上がりは苔と反射を前景に。夕方の斜光で凹凸が立ち、静けさが増す。湖東三山巡りの合間に寄ると色の対比が楽しい。冬は遺構の線が際立つ。