大日寺　西国三十三観音像

境内に並ぶ西国三十三観音像は、同じサイズ感の反復と一体ごとの表情差が楽しい被写体。曇天は白い石が飛びにくく、雨上がりは苔と濡れた石肌が締まって立体感が増す。50〜135mmで一体ずつ圧縮し、手前を前ボケにして列の奥行きを作ると“巡礼の道”が写る。朝夕の斜光は陰刻が浮き、ローアングルで像を少し見上げると存在感が出る。季節は新緑と紅葉が背景整理に強く、落ち葉を足元に入れるだけで物語が濃くなる。モノクロにも強く、粒状感を残すと石の時間が際立つ。雨粒が残る日は水滴を点景に、背景は緑で整理すると外しにくい。