少林寺(彦根市笹尾町)

彦根の外れ、笹尾町に佇む臨済宗の少林寺は、観光地の喧騒から離れた“静の寺”。平安時代の木造観世音菩薩立像が重要文化財に指定されており、古仏の気配だけで背筋が伸びる（拝観可否は要確認）。撮影は外観中心でも十分で、山門や屋根の反り、苔むした石段が渋い。春は淡い花、夏は濃い緑、秋は枯れ色、冬は空気が澄んで輪郭が締まる。広角で寺域の余白と山並みを入れ、望遠で瓦の重なりや石仏の表情を圧縮すると“彦根の里”らしい一枚に。朝は鳥の声だけが響き、逆光で木立が透ける時間が狙い目。三脚で低めに構えると石段のラインが気持ちよく伸びる。