藤房卿遺跡

湖南市三雲の妙感寺周辺に伝わる藤房卿ゆかりの史跡は、五輪塔の石肌と境内の静けさが最大の被写体。苔むした石の積層は曇天・雨上がりで色が締まり、木漏れ日が当たる瞬間に立体感が跳ねます。標準で塔と周囲の樹木をまとめると“祈りの場”が伝わり、望遠で刻字や欠け、苔の粒を拾うと時間の厚みが出る。境内の竹林や石庭を前ボケに使うと、硬い石もふっと柔らかく見せられます。春は若葉、秋は紅葉が背景に入り、冬は葉が落ちて塔のシルエットが際立つ。人の気配を消したいなら早朝が狙い目、逆に参拝風景を少し入れると今に続く物語になります。