多田幸寺のさつき

多田幸寺のさつきは、境内の石垣や参道沿いに低く刈り込まれた株が並び、見頃には朱や桃色の花が寺全体を明るく染め上げます。石段に沿って続くさつきの帯を斜めから捉えれば、リズミカルな前景と本堂の屋根がバランスよく収まる構図に。曇天でも色がしっかり乗るので、空を入れず花と石だけで画面を組み立てると落ち着いた印象になります。新緑のモミジや苔と組み合わせれば、初夏らしい瑞々しさと日本庭園らしい静けさを同時に表現できます。開門直後の柔らかな光を狙えば、影が浅く派手になりすぎない上品な色合いに仕上がります。境内全体を俯瞰するポジションも探しておくと、配置の美しさが伝わる引きの一枚も残せます。