石山寺のツツジ

石山寺のツツジは、琵琶湖岸から続く石山の岩肌と伽藍を背景に、境内の斜面や庭を鮮やかなピンクや赤で染め上げる初夏の主役です。本堂下から多宝塔を見上げる構図では、ツツジの帯と新緑、苔むした岩が重なり合い、立体感のある画に。湖側から望むと、ツツジ越しに瀬田川や橋がのぞき、広がりのある風景写真としても楽しめます。曇天の日は花色がしっとりと回り、石段や僧坊の木戸を前景に入れると、寺の静けさの中に色だけが浮かぶような一枚に。望遠で花の層だけを圧縮すれば、抽象的な色面構成の作品にも仕上げられるスポットです。撮影の際は参拝客の流れを読み、人物を小さく添えると境内のスケール感も自然に伝わります。