大室山

西丹沢の盟主と呼ばれる大室山（1,588 m）は、広いブナ林の尾根と苔むした森が織りなす深い緑が特徴で、霧が立ち込めると幻想的な『緑のトンネル』が現れる。加入道山登山口から破風口を経て山頂へ続く稜線は木道が整備されており、濡れた木肌が自然のリフレクターとなって光を柔らかく拡散するため、PLフィルターを併用すると葉の艶が際立つ。急登を抜けた山頂直下では木々の切れ間から富士山が現れ、夕暮れ時に逆光になると山肌がシルエット化しドラマチック。秋にはミツバツツジやブナが黄紅に染まり、初冬の霧氷と霜柱もマクロ撮影の題材になるなど、静謐な森景色を多彩に収められるロケーションだ。