洗玉橋

八女市上陽町の洗玉橋は、星野川に架かる一連アーチの石橋で、通潤橋を手掛けた名工・橋本勘五郎が晩年最後に築いた“ひふみよ橋”の一番上流にあたる眼鏡橋です。緩やかな弧を描く石造アーチと川面への映り込みを広角で下流側から捉えると、橋そのものが風景画の主役に。桜や新緑、夏の渓谷の深い緑、秋の紅葉と、季節ごとに川岸の色が変わり、長秒で流れをとろりと流せばしっとりとした一枚になります。要石には通潤橋との“兄弟橋”であることが刻まれており、望遠で刻銘と石目を寄れば、職人技の凄みも写り込みます。観光化されすぎていない素朴な風景なので、周囲の田畑や集落も少しフレームに入れて“石橋と暮らし”をテーマに撮り歩きたい場所です。