城山

城山は大分県佐伯市の背後に立つ標高百四十四メートルの小山で、鶴屋城（佐伯城）の石垣が今も残る城跡公園。山頂からは番匠川デルタに広がる城下町と佐伯湾、周囲の山並みを一望でき、夕方には湾に映る光と街灯りが柔らかくにじむ。春は桜と石垣、ツツジが彩りを添え、梅雨時は苔むした石段としっとりした森が画になる。国木田独歩が四季折々の城山を綴ったように、訪れる季節ごとに光と色が変わるのも魅力だ。城跡の門や石碑を前景に、広角で石垣越しに市街を見下ろし、望遠で湾に浮かぶ船や橋を切り取れば、城下町ならではの時間の流れを感じる写真が撮れる。