御前岳

御前岳（大分）は日田市前津江町側からシオジ原生林を抜けて登るルートが魅力で、沢沿いの苔むした岩と清流、夏に咲くオオキツネノカミソリの群生がフォトジェニック。緩やかな登りの先で釈迦岳との稜線に合流すれば、ブナやカエデの森越しに阿蘇や雲仙まで望む大展望が広がる。春は新緑、梅雨時は霧と苔、秋は紅葉、冬はうっすら雪化粧が山の表情を変える。沢ではNDとPLを組み合わせて水と緑をしっとり描き、稜線では広角で尾根のうねりを、望遠で遠くの山並みを圧縮すると、津江山地のスケール感を余さず収められる。登山口周辺の杉林も霧の日は被写体になる。