木ノ子岳(大岳)

木ノ子岳（大岳）は中津市北部に位置するトロイデ式の火山で、キノコの傘のような整った山容からその名で親しまれています。登山口からは植林帯と自然林が入り交じる急登が続き、足元の苔や折り重なる落葉がしっとりとした質感を見せます。山頂部は樹林に囲まれ控えめな展望ながら、その分、幹越しに覗く周囲の山並みや雲の表情に集中して構図を組めるのが面白いポイントです。中望遠で木立のリズムと遠景を重ねるほか、霧の日には露に濡れた枝やクモの巣をマクロで狙うと印象的な一枚になります。静かな山域なので三脚を落ち着いて構えやすく、しっとりとした九州の山の空気感をじっくり描写できます。