芦別岳

鋭い岩稜と深い森が交差する芦別岳は、朝の雲海と劇的な雲の動きが主役。残雪期は白と岩の線が際立ち、夏は湧き雲、秋は錦の斜面、冬は霧氷が稜を飾る。裂け目や立ち枯れを前景に置き、広角で空を大きく、望遠で重なる尾根を圧縮。露出はハイライト優先、段階NDで空の階調を守る。風が弱ければ長秒で雲流、強風時は高速で稜のエッジを締めたい。サイド光は岩稜の凹凸を浮かべ、薄曇りは幹肌の階調が素直。前景の草や岩を少しぼかして奥行きを作ると立体感が増す。夜明け前の群青から橙への移ろいは必見で、稜線の人物を点景にすればスケールが整う。露出は白飛び一歩手前で粘りたい。