厭離庵

嵯峨野の奥にひっそりと門を構える厭離庵は、藤原定家ゆかりの山荘跡に建つ小さな寺院。苔庭の上に低く枝を張るモミジは、晩秋には一面の散り紅葉となって足元を朱に染める。境内は狭く人も多いので、広角で全体を欲張るより、門前や参道の一角で落ち葉と苔、瓦屋根などを丁寧に切り取るのがおすすめ。玄関から先は撮影禁止などルールが厳しく変わることもあるため、最新の案内を必ず確認し、見た記憶を持ち帰るつもりでシャッター回数は控えめに。静かな京都の晩秋を味わう場所だ。庭は肉眼でじっくり味わい、門前や路地でカメラを出すくらいのバランスにすると、京都撮影旅のメリハリもついて心地よい。