鯖大師本坊

巡礼の気配が濃く漂う寺で、境内のあちこちに並ぶ仏像や奉納物が“密度のある画”を作ってくれる。広角で像の連なりと空間の圧を、望遠で一体の表情や手の形に寄ると物語が立つ。堂内は暗めなので高感度や手ぶれ補正が心強く、灯りの色を生かして少し暖かめに仕上げるのも合う。夏は白装束の参拝者が絵になり、雨の日でも撮影のネタが尽きない。蝋燭の火、線香の煙、納札の文字など“祈りの痕跡”を拾うと写真が急に強くなる。彩度を上げ過ぎず、赤い前掛けや札の色を一点アクセントにするとまとまりがいい。外に出れば海風や山の緑も。夕方も良い。