甲山寺

静かな境内に瓦屋根と石灯籠がまとまり、質感で撮れる札所。石段の導線を広角で押さえ、標準で堂宇の直線、70〜200mmで木組みの影、苔、欠けた石の輪郭を拾うと渋い。雨上がりは黒が締まり、晴れ間の逆光では葉が透けて柔らかい玉ボケが作れる。春は若葉、秋は落ち葉が差し色、冬は陰影が深い。境内の小さな水鉢や線香立てを寄りで拾うと“静けさの手触り”が出る。絞って全体を端正に、開放で背景を溶かして雰囲気寄り、と撮り分けると一記事分が揃う。境内は暗めなので手すりや柱を使い、ブレ対策をして質感を残したい。曇天も似合う。