極楽寺(宇佐市南宇佐)

宇佐神宮の門前に近い極楽寺は、参詣の流れの中でふっと静けさに切り替わる寺。朝は空気が澄み、杉木立の影が石段に落ちて端正な線が出る。春は若葉、梅雨は濡れた石と苔が締まり、夏は木陰が深く、秋は紅葉が瓦の黒を引き立てる。広角で参道の導線、50mmで扁額や木組み、望遠で石仏の表情、マクロで水滴と苔。夕方の斜光で刻字が立つ時間に、灯籠の影を重ねると“祈りの層”が写る。人を小さく入れると巡礼の距離感も伝わる。雨の日は石畳の反射が増え、濡れた木部が一段渋くなります。曇天はコントラストが穏やかで階調が残る当たり日。