大塚古墳(甲斐市境)

甲斐市境に残る古墳は、もりっとした墳丘の丸みと周囲の畑・住宅地のスケール差が面白い被写体。落葉期は輪郭が読み取りやすく、春は若草、秋は澄んだ空でシルエットが決まる。広角で墳丘のカーブを手前からなぞって奥行きを作り、標準〜望遠で周縁の段差や石の散らばり、説明板の図を丁寧に撮ると「形の意味」が伝わる。夕方の斜光は凹凸を強調し、曇天は土と石の階調が優しい。背景を整理して墳丘だけを浮かせると、都市近郊の古代感がぐっと出る。少し離れて中望遠で圧縮すると、周囲の現代景と古墳の丸みの対比がより効いてくる。冬も渋い。