仁和寺

五重塔と遅咲きの御室桜が作り出す春の光景は絵巻物のようで、満開時には低木の桜越しに塔を見上げる独特の立体感が生まれる。苔むす石畳や勅使門の唐破風も格好の前景素材。秋は金堂周辺のイチョウ、冬は雪帽子を被った塔が荘厳で、四季を網羅できる。参拝客が少ない朝なら広角で堂宇全体を撮影しやすく、御殿内部の回遊式庭園では障子越しの柔光がドラマを生む。境内南側の史跡御室川は桜吹雪が川面に流れる姿をスローシャッターで捉えると雅趣がある。夜間特別拝観時は五重塔のライトアップと星空を絡めることで荘厳かつ幻想的なシルエット写真が狙える。