
パンケーキレンズとは?メーカー別おすすめレンズ厳選【初心者向け】





レンズ交換式カメラを買ったものの、「重くてかさばるから、けっきょく家に置きっぱなし…」という声をよく耳にします。そんな悩みを一気に軽くしてくれるのが、小型・軽量で持ち歩きやすいパンケーキレンズです。この記事ではパンケーキ レンズとは何かという基本から選び方のコツ、そしてメーカー別・用途別のおすすめモデルまで、実際の使用シーンをイメージしやすい形で紹介していきます。キヤノン・ソニー・ニコン・富士フイルム・パナソニック・ペンタックスと、主要メーカーの代表的なパンケーキレンズをピックアップし、どのボディに組み合わせると撮影が快適になるのかも具体的に解説します。
この記事のサマリー

パンケーキ レンズとは何かをサイズ感・特徴から具体的に整理します。

失敗しにくい選び方を焦点距離・用途・マウント別にまとめます。

Canon・Sony・FUJIFILM・Panasonic・Nikon・PENTAXのおすすめパンケーキレンズを個別に紹介します。

旅行・スナップ・Vlog向けの使い分けをケース別に提案します。

最後に比較表と選び分けの指針を提示し、自分に合う一本を決めやすくします。
パンケーキレンズとは?基本の特徴と向いている撮影スタイル

まずは、パンケーキ レンズとはどんなものかを押さえておくと、その後の選び方が一気にスムーズになります。一般的な単焦点レンズと比べてどこが違うのか、どんな人に向いているのかを整理しながら、日常スナップや旅行での活かし方をイメージしていきましょう。
パンケーキレンズの定義とサイズ感
パンケーキレンズという呼び方は、レンズの形が文字通りパンケーキのように薄いところから来ています。厳密な規格があるわけではありませんが、鏡胴の長さがレンズの直径より短く、横から見るとぺたんとしたシルエットになっているものが多いです。通常の標準レンズが「太めの円筒」だとしたら、パンケーキレンズは「厚みをギュッと半分以下にしたディスク」のようなイメージです。
焦点距離はフルサイズ換算で概ね20〜50mmの単焦点が多く、人の視野に近い自然な画角をカバーするモデルが主流です。標準ズームと比べて全長が大きく短くなるケースが多く、重量も100g前後の軽量なモデルが多いため、ボディと合わせても「いつでも肩から下げておける」セットになりやすいのが大きな特徴です。
パンケーキレンズは、その薄さによってカメラ全体の見た目まで変えてしまいます。大きなレンズが付くとどうしても「ガチっぽい」雰囲気になりますが、パンケーキだとコンデジの延長のような軽さに見えるので、街中やカフェでも周囲の視線を気にせず構えられるでしょう。
パンケーキレンズのメリットと注意したいポイント
一番のメリットは、やはり携帯性と気軽さです。バッグの隙間にスッと入る厚みなので、仕事や学校の合間にカメラを持ち出すハードルが下がります。「今日は撮る予定がある日」だけでなく、「なんとなく」で持ち歩けるようになると、撮影回数も自然に増え、練習の機会を確保しやすくなります。
スナップ撮影ではレンズが小さいほど被写体への圧迫感が減るため、通りすがりの人や家族の素の表情を捉えやすくなります。また、構造が比較的シンプルな単焦点タイプが多く、光学性能が素直で扱いやすいモデルが多いのもポイントです。一方で、開放F値はF2.8前後が中心で、F1.2やF1.4の大口径レンズほど背景をとろとろにボカすのは得意ではありません。
周辺画質や逆光耐性も、超高級レンズと比べると妥協している部分があります。画面の端までかっちり写したい風景撮影がメインなら、ある程度絞り込んで使う前提で考えると良いでしょう。また、薄さゆえにフォーカスリングが細く、マニュアルフォーカスを多用したい人にはやや心許ないモデルもあります。とはいえ「軽さと機動力」を優先するなら、こうしたトレードオフを理解したうえで選ぶのがおすすめです。
パンケーキレンズの選び方:焦点距離・マウント・用途で絞り込む

パンケーキレンズには多様な焦点距離・マウント・明るさのモデルがあり、自分の撮影目的に合った一本を選ぶことが大切です。まずは「どんなシーンで撮ることが多いか」を軸に、焦点距離とセンサー別の画角を整理すると迷いにくくなります。
焦点距離とセンサーサイズから画角をイメージする
焦点距離は最優先の判断ポイントです。広角〜標準域の中で「被写体との距離感」「背景の見え方」「自撮りのしやすさ」が変わるため、まずは“よく撮るシーン”に当てはめてみると決めやすくなります。APS-C機では1.5倍前後、マイクロフォーサーズでは2倍を掛けた画角になるので、手元のボディに合わせて換算してみるとイメージしやすくなるでしょう。
用途 | 35mm判換算の目安 |
|---|---|
旅行スナップ・街歩き | 28〜35mm(自然で扱いやすい) |
テーブルフォト・ポートレート | 40〜50mm(背景整理がしやすい) |
Vlog・自撮り | 20〜24mm(手持ちで顔+背景が入る) |
旅行スナップや街歩き中心なら、換算28〜35mmあたりの広すぎないワイドが扱いやすいです。テーブルフォトやポートレートを兼ねたい場合は、40〜50mm付近の画角がちょうど良い距離感になります。手持ちの標準ズームで自分がよく使っている焦点距離をExifでチェックし、「いつもこの辺で止めている」という位置をパンケーキレンズで置き換えるイメージを持つのもおすすめです。
また、動画撮影が多い人は自撮りのしやすさも考えたいところです。APS-C機で換算30mm前後、フルサイズなら20〜24mmあたりだと、手持ちで顔と背景をバランスよく入れやすいので、Vlog用途を意識するならこのレンジをひとつの目安にしてみてください。
AF/MF・明るさ・付加機能を用途に合わせてチェック
焦点距離を決めたら、次は 「どう撮るか」につながる機能 を確認します。
項目 | 内容 |
|---|---|
AF or MF | 家族・動きモノが多いならAF。街スナップ中心ならMFパンケーキも選択肢。 |
開放F値 | 日中中心=F2.8で十分。室内・夜も撮るならF1.7〜F2を優先。 |
手ブレ補正 | パンケーキは非搭載が多い → ボディ側の手ブレ補正の有無が重要。 |
防塵防滴 | 雨の日の街歩き・旅行で安心。WR(Weather Resistant)表記が目印。 |
絞りリング | 直感的に露出を変えたい人向け。特にXシリーズで操作性が向上。 |
まずはオートフォーカスかマニュアルフォーカスかという違いです。家族のスナップや動きのある被写体を撮る機会が多いなら、迷わずAF搭載モデルを選んだ方がストレスは少ないでしょう。一方で、ゆっくり風景や街のディテールを切り取る撮影が中心なら、MF専用のオールド系パンケーキでじっくりピント合わせを楽しむのも一つの方向性です。
開放F値は、夜間撮影や室内をどれほど重視するかで判断します。日中スナップがメインならF2.8でも困る場面は多くありませんが、室内で被写体ブレを抑えたいならF1.7〜F2クラスの明るいモデルを候補に入れておきたいところです。手ブレ補正についてはパンケーキレンズ側に内蔵されていないことが多いので、ボディ内手ブレ補正の有無も合わせて確認しておくと安心です。
最後に、軽さ一辺倒ではなく防塵防滴や絞りリングの有無もチェックしておきましょう。雨の日にもカメラを持ち出したい人は防滴モデルが心強いですし、露出を直感的に変えたい人にとって絞りリングは操作のリズムを作ってくれます。これらの要素を「自分がどんなシーンでどれくらい撮るか」と結びつけて考えると、候補が一気に絞り込めるはずです。
パンケーキレンズのおすすめ早見表
主要メーカー別の代表的なパンケーキレンズをピックアップしています。
レンズ名 | 一言まとめ |
|---|---|
Canon RF28mm F2.8 STM | EOS Rシリーズを軽量な広角スナップ機に変えるフルサイズ対応パンケーキ。 |
Sony E 20mm F2.8 | α APS-Cをコンパクト化できる、30mm相当の薄型スナップ用広角単焦点。 |
FUJIFILM XF27mmF2.8 R WR | 絞りリング&防滴搭載で、Xシリーズの常用レンズにしやすい41mm相当パンケーキ。 |
LUMIX G 20mm F1.7 II ASPH. | F1.7の明るさと40mm相当の画角で、日常から夜スナップまで一本でこなすMFT定番。 |
HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited | 金属鏡筒と極薄設計が特徴の61mm相当、スナップとポートレート向きパンケーキ。 |
NIKKOR Z 26mm f/2.8 | Zフルサイズでも常時携行しやすい、26mm広角と薄さが武器の軽量パンケーキ。 |
Canon RF28mm F2.8 STM:EOS Rシリーズを“軽快スナップ機”に変える一本

キヤノンのRF28mm F2.8 STMは、フルサイズ対応RFレンズの中でも特に薄くて軽いパンケーキレンズです。EOS Rシリーズをコンパクトカメラのような感覚で持ち歩きたい人にとって、もっとも手軽に導入できる選択肢のひとつと言えるでしょう。ここでは、画角とサイズ感、そしてボディ別の相性という観点から魅力を整理していきます。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | Canon RF28mm F2.8 STM |
発売日 | 2023年7月7日発売 |
対応センサーサイズ | フルサイズ(EOS Rフルサイズ機)※APS-C機にも装着可 |
焦点距離 / 開放F値 | 28mm / F2.8 |
35mm判換算 | 28mm相当(フルサイズ) / 約45mm相当(APS-C機装着時) |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正なし |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 0.23m / 0.17倍 |
フィルター径 | 55mm |
重量 | 約120g |
みんなのカメラ 商品ページ |
28mmの広さとパンケーキらしいコンパクトさ
フルサイズで28mmという焦点距離は、広角寄りながら扱いやすい絶妙なバランスです。観光地の大きな建物やカフェの店内などでも、後ろに下がり切れない場面で力を発揮してくれます。それでいて極端な誇張感は出にくく、人のいる街角の情景も自然な遠近感で切り取れるので、旅行から日常スナップまで守備範囲が広いレンズです。
パンケーキらしい薄さのおかげで、EOS Rボディに装着してもレンズの出っ張りがほとんど気になりません。通常の標準ズームだと、バッグの中でレンズフードが引っかかったり、机に置いたときの安定感が悪かったりしますが、RF28mm F2.8 STMならそのストレスがだいぶ軽くなります。ストラップを肩にかけて一日歩き回っても疲れにくく、「今日はカメラ持っていこうかな」と自然に思えるセットになってくれるはずです。
解放F2.8という明るさは、背景を大きくボカすというより、シャッタースピードに余裕を持たせるイメージに近いです。日中のスナップであればISOを無理に上げなくても手ブレしにくいですし、夕方の街灯下でも少しISOを上げるだけで十分実用的なシャッタースピードを確保しやすくなります。
フルサイズ・APS-C両方で生きる画角と運用イメージ
EOS R8やR6 Mark IIと組み合わせれば、フルサイズ28mmの軽快な広角スナップセットが完成します。特に街歩きや旅行で、標準ズームを持ち出すほどではないけれど「いつでも撮れる状態」にしておきたい人にとって、RF28mm F2.8 STMはボディの性能を活かしながら荷物を最小限に抑えられる頼れる一本になるでしょう。EVFを覗きながら歩き撮りしても、レンズの重さで構えが不安定になることが少なく、リズムよくシャッターを切れます。
APS-CのEOS R50やR10に装着すると、焦点距離は約45mm相当になり、今度は標準レンズ的な役割を担ってくれます。人も風景もバランス良く入る自然な画角なので、初めての単焦点としても扱いやすいでしょう。キットズームから乗り換えると、カメラ全体の軽さと写りのクリアさの差に驚くはずです。
動画撮影では、フルサイズでの手持ち自撮りにはやや広角不足ですが、三脚やジンバルを使ったVlogにはちょうど良い画角です。室内で商品レビューを撮るようなシーンでも、モニターに映る範囲をコントロールしやすく、RFマウントのベースレンズとして長く使えるポジションの一本と言えるでしょう。
Sony E 20mm F2.8:APS-Cスナップに最適な薄型広角

ソニーAPS-Cユーザーにとって、E 20mm F2.8は日常スナップで使いやすいパンケーキレンズです。小さなα6000シリーズやZV-E10と組み合わせると、本体の薄さと軽さが際立ち、普段はスマホで済ませてしまうような場面でもカメラを取り出しやすくなります。30mm相当という画角も含めて、日常使いのバランスが取りやすい一本です。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | Sony E 20mm F2.8(SEL20F28) |
発売日 | 2013年3月8日発売 |
対応センサーサイズ | APS-C専用(Eマウント) |
焦点距離 / 開放F値 | 20mm / F2.8 |
35mm判換算 | 約30mm相当(APS-C機) |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正なし |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 0.2m / 0.12倍(1:8) |
フィルター径 | 49mm |
重量 | 約69g |
みんなのカメラ 商品ページ |
30mm相当の自然な画角と軽快な取り回し
APS-C換算で約30mmになるE 20mm F2.8は、広角寄りの標準レンズといったポジションです。室内でのテーブルフォトから、街角スナップ、ちょっとした風景まで、被写体を選ばず使えるのが魅力です。24mmのような強いパースも出にくいため、人を撮ったときの顔のバランスも崩れにくく、旅行中の同行者をさらっと撮る用途にも向いています。
レンズ自体が非常に軽く薄いので、α6000シリーズに装着するとまるで上位コンデジのようなサイズ感になります。リュックの肩ベルトにぶら下げたり、サコッシュに放り込んだりしても邪魔になりにくく、スマホと同じノリで持ち歩けるのが強みです。ズームレンズでは周囲の視線が気になるようなカフェやショップ内でも、さっと構えて自然な雰囲気を残せるでしょう。
F2.8という明るさは、日中の撮影なら十分な余裕があります。背景をほどよくぼかしつつ、全体も見せたい場面にちょうどよく、開放付近からしっかり使える安心感があります。ISO感度を無理に上げなくても手ブレを抑えやすいため、カメラ初心者にとっても扱いやすいレンズといえます。
α6000シリーズ・ZV-E10での実用的なセットアップ
α6400やα6600といったAPS-CボディにE 20mm F2.8を付けると、AF性能の高さとコンパクトさを両立したスナップシステムが完成します。瞳AFをオンにしておけば、街中で友人を撮るときもピント外れが少なく、撮ったその場でSNSにアップできるクオリティの写真が量産できるでしょう。ボディ側のカスタムボタンに絞りやISOの切り替えを割り当てておけば、単焦点でも素早く露出を追い込めます。
ZV-E10などのVLOGCAMに装着すれば、歩きながらのVlog撮影にも相性抜群です。自撮りでは顔が大きくなりすぎず、背景もある程度写り、視聴者に「その場の空気感」を伝えやすくなります。手ブレ補正付きのジンバルや小型三脚と組み合わせれば、軽い荷物で一日撮り歩いても疲れにくい構成になるはずです。
動画と静止画を半々くらいで撮る人にとっても、E 20mm F2.8はちょうど良い落としどころです。ズームで構図を追い込むのではなく、自分の立ち位置を少し前後させてフレーミングする習慣が身につくので、「撮る目」を育てる練習用レンズとしてもおすすめできます。
FUJIFILM XF27mmF2.8 R WR:Xシリーズをポケットサイズにする相棒

富士フイルムのXマウントでパンケーキレンズを検討するなら、XF27mmF2.8 R WRは代表的な選択肢のひとつです。X-E4やX-T30 IIのような小型ボディと組み合わせると、ジャケットのポケットにも収まりそうなサイズ感になり、「今日はカメラを持って行こうか」と迷う時間がほとんどなくなります。換算41mmという画角も、スナップから日常記録まで幅広く対応できる万能型です。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | FUJIFILM XF27mmF2.8 R WR |
発売日 | 2021年3月11日発売 |
対応センサーサイズ | APS-C専用(Xマウント) |
焦点距離 / 開放F値 | 27mm / F2.8 |
35mm判換算 | 約41mm相当(APS-C機) |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正なし |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 約0.34m / 0.1倍前後 |
フィルター径 | 39mm |
重量 | 約84g |
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絞りリング&防滴仕様で操作と信頼性を両立
旧型のXF27mmには絞りリングがありませんでしたが、R WR版ではXシリーズらしいクリック感のあるリングが搭載されました。ボディ側のダイヤルと併せて使うと、シャッタースピード・ISOと合わせて直感的に露出を決められます。ファインダーを覗きながらカチカチと絞りを変えていく操作性は、多くのユーザーからも評価されているポイントです。
WR(Weather Resistant)の名が示す通り、防塵防滴に配慮した設計も魅力です。小雨の街スナップや、旅先での不意の夕立でも、慌ててカメラをしまう必要が少なくなります。パンケーキレンズは「軽さ優先で防滴は諦める」というモデルも多いなかで、コンパクトさとタフさを両立させているのは大きな強みです。
AFは最新のXボディと組み合わせれば十分キビキビ動きます。X-S20やX-T5との組み合わせなら、顔・瞳認識と連携して家族写真やスナップポートレートも快適にこなせます。薄型レンズでありながら実用性を犠牲にしていないバランスの良さにより、XF27mmF2.8 R WRは日常的に装着しておきやすいレンズに仕上がっています。
フィルムシミュレーションと相性の良い描写傾向
描写は富士らしい色再現と、カリッとしすぎない程よいシャープさが特徴です。絞り開放付近では背景がほどよく溶け、被写体にはしっかりピントが来るので、クラシッククロームやPRO Neg.Hiのようなフィルムシミュレーションと組み合わせると、雰囲気のあるスナップが量産できます。極端な立体感よりも、空気感を含んだナチュラルな画作りが好みの人に向いているでしょう。
換算41mmという画角は、テーブルフォトにも扱いやすい距離感です。カフェのテーブルの反対側にいる友人と料理を一緒に入れる構図も作りやすく、レンズ交換の手間なく「人+モノ」の写真を楽しめます。最短撮影距離もそこまで長くないので、小物を寄り気味に撮るシーンでもストレスは少なめです。
Xシリーズはボディのデザイン性が高いので、薄型のXF27mmF2.8 R WRを付けると見た目の完成度も一段上がります。カメラをインテリアとして棚に飾っておき、気が向いたらそのまま持ち出すようなライフスタイルにもよくなじむレンズです。
Panasonic LUMIX G 20mm F1.7 II:明るさと薄さを両立したマイクロフォーサーズの定番

Panasonic LUMIX G 20mm F1.7 IIは、多くの実機レビューでも「神レンズ」と言及されることもあるマイクロフォーサーズ用パンケーキレンズです。40mm相当という画角に加え、F1.7の明るさとパンケーキ級の薄さを兼ね備えているため、ボディを選ばず常用レンズとして使いやすい特性を持っています。写真メインの人にも、動画も撮るハイブリッド派にも幅広く活用されている一本です。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | Panasonic LUMIX G 20mm F1.7 II ASPH.(H-H020A) |
発売日 | 2013年7月11日発売 |
対応センサーサイズ | マイクロフォーサーズ(MFT) |
焦点距離 / 開放F値 | 20mm / F1.7 |
35mm判換算 | 40mm相当(マイクロフォーサーズ) |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正なし |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 0.2m / 0.13倍(35mm換算0.25倍) |
フィルター径 | 46mm |
重量 | 約87g |
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F1.7の明るさと40mm相当の万能画角
35mm判換算40mmという焦点距離は、広すぎず狭すぎず、被写体との距離感をつかみやすいレンジです。テーブルの対面に座る相手を自然なパースで写せる一方、少し下がれば店内の雰囲気も含めて撮影できます。街中では、人混みの中で被写体を切り抜くのにも向いており、「とりあえずこの一本でいいか」と思わせてくれるバランスがあります。
F1.7という明るさは、室内撮影や夜スナップで大きなアドバンテージになります。マイクロフォーサーズはセンサーサイズの関係でボケ量ではフルサイズに及ばないものの、F1.7なら被写体をしっかり際立たせる程度には背景を整理できます。ISO感度を無理に上げずに済むシーンも増え、手ブレとノイズの両面で余裕を感じられるでしょう。
絞りを少し絞れば、解像感の高いシャープな描写に変化します。風景や建築を撮りたいときはF4〜F5.6付近まで絞ると、画面の隅まで安定した写りが得られ、RAW現像で少しコントラストを持ち上げるとキレのある写真が仕上がります。
小型ボディとの組み合わせで“ポケット一眼”を実現
LUMIX GX7やGX9のようなレンジファインダー型ボディと組み合わせると、LUMIX G 20mm F1.7 IIはまさにポケットサイズの一眼カメラといった雰囲気になります。ストラップを省いてバッグにそっと忍ばせておいても邪魔にならず、気になったシーンを見つけた瞬間に取り出して撮影できるフットワークの軽さが魅力です。
OM SYSTEM側のボディに装着しても相性は良好です。OM-5などボディ内手ブレ補正が強力なモデルと組み合わせれば、夜の路地を手持ちで撮り歩くようなシーンでも、比較的低感度で粘ることができます。単焦点一本で街を流すように歩き、気になった光と影を拾っていくスタイルにぴったりです。
AF速度は最新の高速AFレンズと比べるとややゆっくりした動きですが、日常スナップには十分なレスポンスがあります。むしろ、ほんの少し間があることで「撮る前に一呼吸置く」習慣が身につき、構図やタイミングを意識しやすくなるという見方もできます。写真をじっくり撮影したい人にとっても、LUMIX G 20mm F1.7 IIは扱いやすいレンズといえます。
PENTAX HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited:一眼レフで楽しむ極薄パンケーキ

一眼レフでパンケーキレンズを楽しみたいなら、PENTAX HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limitedは外せません。KマウントAPS-C機に装着すると、全長わずかな極薄ボディがカメラの印象をガラリと変えてくれます。金属外装の質感も高く、所有欲を満たしながら実用性も兼ね備えた一本です。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | HD PENTAX-DA 40mmF2.8 Limited |
発売日 | 2013年9月20日発売 |
対応センサーサイズ | APS-C専用 |
焦点距離 / 開放F値 | 40mm / F2.8 |
35mm判換算 | 約61mm相当(APS-C機) |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正なし(Kボディ側SRに依存) |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 0.4m / 0.13倍 |
フィルター径 | 49mm(専用フード内側は30.5mm) |
重量 | 約89g |
みんなのカメラ 商品ページ |
金属外装と極薄設計が生み出す所有感
DA 40mm Limitedシリーズの特徴は、なんといってもその薄さと造形美です。レンズ単体を見ると「本当にAFレンズ?」と疑いたくなるほど薄く、Kマウントボディに装着してもマウントからの出っ張りが最小限に抑えられます。金属削り出しの鏡筒に刻まれた距離指標やローレット加工は、手に取るたびにニヤリとしてしまう仕上がりです。
Limitedシリーズは、コンパクトさと質感の高い金属外装、描写のバランスの良さを重視したラインとして位置付けられています。F2.8という開放値は特別明るいわけではありませんが、そのぶん鏡筒をここまで薄くできていると捉えることもできます。撮影のたびにレンズの存在を意識させない軽さは、スナップ用レンズとして大きな武器になります。
質感の高い金属鏡筒は、K-3 Mark IIIのような堅牢ボディはもちろん、K-S2やK-70といった軽量機にもよく似合います。レンズの小ささがボディのデザインを引き立ててくれるため、見た目でカメラを選びたい人にも刺さる一本です。
APS-Cで約60mm相当。スナップからポートレートまで活躍
APS-CセンサーのKマウント機に装着すると、DA 40mmF2.8 Limitedは約60mm相当の中望遠寄りの画角になります。人を撮るときに少し距離を取れるほか、背景を整理しやすく、街中でも被写体を浮かび上がらせるような構図を作りやすい焦点距離です。足で前後しながらフレーミングする感覚を楽しみたい人には相性が良いでしょう。
描写は開放から十分実用的で、少し絞るとカリッとしたシャープさが際立ってきます。逆光ではほんのりフレアが乗ることもありますが、それがペンタックスらしい雰囲気を作ることも少なくありません。RAW現像でコントラストを少し整えると、立体感のある描写に仕上がります。
一眼レフはどうしても「大きくて重い」というイメージを持たれがちですが、DA 40mmF2.8 Limitedを付けることで印象は大きく変わります。肩から提げていても目立ちにくく、ミラーレスと遜色ない携帯性を手に入れられるので、「今あるKマウント機をもう一度活躍させたい」という人にも強くおすすめできるパンケーキレンズです。
Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8:Zシリーズを軽量広角スナップ機に

NIKKOR Z 26mm f/2.8は、ニコンZマウントで本格的なパンケーキレンズを使いたいユーザーに向けた一本です。フルサイズ対応でありながら非常に薄く、Z5やZ6IIといったボディに付けると、一眼カメラとは思えないコンパクトさに驚かされます。広角寄りの画角を活かして、街スナップからインテリア撮影まで幅広く活躍してくれるレンズです。
項目 | スペック |
|---|---|
製品名 | Nikon NIKKOR Z 26mm f/2.8 |
発売日 | 2023年3月3日発売 |
対応センサーサイズ | フルサイズ(FXフォーマット)※DX機にも装着可 |
焦点距離 / 開放F値 | 26mm / F2.8 |
35mm判換算 | 26mm相当(FX) / 約39mm相当(DX機装着時) |
手ブレ補正 | レンズ内VRなし(ボディ内手ブレ補正対応機で補正) |
最短撮影距離 / 最大倍率 | 0.2m / 0.19倍 |
フィルター径 | 52mm |
重量 | 約125g |
みんなのカメラ 商品ページ |
最小・最軽量クラスのZレンズで広角スナップ
フルサイズで26mmという焦点距離は、28mmよりほんの少し広く、風景や建築をダイナミックに写しやすいレンジです。それでいて超広角ほどの誇張感は少ないため、街角の何気ないシーンも自然な遠近感で収められます。Z 26mm f/2.8は厚さ約23.5mm・質量約125gと、発売時点でZシリーズレンズの中でも最薄・最軽量クラスの設計になっている点が特徴です。
ボディに装着すると、レンズの存在をあまり意識しないままに撮影に没頭できます。Zシリーズ特有の握りやすいグリップと組み合わさることで、長時間のスナップ撮影でも手首への負担が少なく、シャッターチャンスに集中しやすくなります。F2.8の明るさは、夕暮れの街でもある程度シャッタースピードを稼げる余裕を与えてくれるでしょう。
AFは静かで素早く、街中のスナップや室内での人物撮影でもテンポよく撮影できます。Zボディ側の被写体認識AFと組み合わせれば、人物や乗り物など動きのある被写体にも対応しやすく、軽量な見た目以上に「本気で撮れる」セットになります。
フルサイズとDXボディで変わる使い道
フルサイズのZ6IIやZfと組み合わせると、Z 26mm f/2.8は広角スナップ用のメインレンズとして活躍します。観光地での風景撮影や、路地裏の光と影を追うような撮り方にもよくなじみます。ボディ内手ブレ補正を活かせば、夜の街をISO控えめで撮り歩くことも十分可能です。
一方、ZfcやZ 50といったDXボディに装着すると、約39mm相当の画角になり、ほぼ標準レンズ的な使い方ができます。Zfcのレトロなデザインとパンケーキレンズの薄さは相性抜群で、見た目も含めて「持ち歩きたくなるカメラ」になります。旅行先で首から下げっぱなしにしても疲れにくく、スナップ撮影の敷居を下げてくれるでしょう。
動画撮影でも、Z 26mm f/2.8は軽量ジンバルとの組み合わせで威力を発揮します。レンズが軽いぶんシステム全体の重量を抑えられ、長時間の収録でも腕が持ちやすくなります。街歩きVlogや旅の記録を残したいZユーザーにとって、一本持っておくと使い回しの良いパンケーキレンズです。
おすすめパンケーキレンズ比較:用途別のベストバイを整理
ここまで紹介してきたパンケーキレンズを、用途ごとに整理してみましょう。どれも魅力的な一本ですが、「旅行メイン」「スナップ重視」「動画寄り」など目的によって最適な選択肢は少しずつ変わってきます。迷ったときに比較しやすいよう、簡単な対応表と選び分けの考え方をまとめました。
レンズ名 | マウント | 換算焦点距離 | 得意な用途 |
|---|---|---|---|
Canon RF28mm F2.8 STM | RF(フル/APS-C) | 28mm / 約45mm | 旅行スナップ・街歩き |
Sony E 20mm F2.8 | E APS-C | 約30mm | 日常スナップ・Vlog |
FUJIFILM XF27mmF2.8 R WR | X APS-C | 約41mm | 街スナップ・カフェ・旅 |
LUMIX G 20mm F1.7 II | マイクロフォーサーズ | 40mm | 夜スナップ・日常全般 |
PENTAX DA 40mmF2.8 Limited | K APS-C | 約60mm | ポートレート・スナップ |
NIKKOR Z 26mm f/2.8 | Z(フル/DX) | 26mm / 約39mm | 広角スナップ・旅Vlog |
旅行・街歩きで重視したいポイントとおすすめの組み合わせ
旅行メインでパンケーキレンズを選ぶなら、「軽さ」と「汎用性」のバランスが鍵になります。観光地の風景も撮りたいし、同行者の写真も残したいという場合、広角すぎず狭すぎない28〜40mmあたりが使いやすいレンジです。フルサイズならCanon RF28mm F2.8 STMやNIKKOR Z 26mm f/2.8、APS-CならSony E 20mm F2.8やXF27mmF2.8 R WRあたりが候補に挙がるでしょう。
街歩きのスナップでは、レンズが小さいほど被写体に気づかれにくく、自然な表情や街の空気を捉えやすくなります。特にXシリーズ+XF27mmや、LUMIX GX系+G20mm F1.7 IIの組み合わせは、カメラ自体も小柄なためコンパクトカメラに近いサイズ感になります。身軽さを最優先するなら、このあたりのペアを第一候補にしてみてください。
風景をしっかり撮りたい人は、少し絞って使うことを前提にすると満足度が上がります。パンケーキレンズには開放で周辺が緩む傾向が見られるモデルも多いため、F4〜F5.6あたりまで絞ると画面全体のシャープさを確保しやすくなります。旅行中、絶景スポットでは絞り優先モードに切り替えるなど、「ここぞ」という場面で一手間かける意識を持つと、帰宅後の写真のクオリティがぐっと変わります。
動画・Vlogやサブ機としての使い分け
Vlog用途では、自撮りのしやすさとAFの挙動が重要なポイントになります。ソニーのE 20mm F2.8は、ZV-E10と組み合わせたときのバランスが良く、顔と背景をほどよく収めつつ軽量な構成を作れます。ニコンZユーザーなら、Z 26mm f/2.8と小型ジンバルの組み合わせで、街歩き動画を快適に撮影できるでしょう。
メインボディとは別に「常にカバンに入れておくサブ機」を用意したい場合も、パンケーキレンズは頼れる存在です。たとえばフルサイズを本気撮影用としつつ、APS-Cの小型ボディにパンケーキを付けっぱなしにしてサブにする、といった運用です。システム全体の総重量を抑えながら、状況に応じて機材を柔軟に使い分けられます。
家族のイベントなどでは、「大きなレンズを付けた本気カメラ」と「パンケーキで軽快なカメラ」をシーンごとに持ち替えるのも一案です。子どもと遊ぶ時間はパンケーキの軽いセット、集合写真や記念カットでは大三元ズームといった具合に、疲れにくさと確実性の両方を狙える構成になります。
パンケーキレンズのまとめ
パンケーキレンズは、レンズ交換式カメラの「大きくて重い」という弱点を一気に和らげてくれる存在です。薄く軽い一本を付けておくだけで、撮影のハードルが下がり、結果として写真に触れる時間が自然と増えていきます。まずは自分のカメラのマウントと撮りたいシーンを整理し、この記事で紹介した候補の中から「これなら毎日持ち出せそうだ」と感じる一本を選んでみてください。
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