徳蔵寺の藤

古刹の境内を覆う藤棚が見頃になると、紫の房が滝のように垂れて瓦屋根や石段と好対照。棚の下から見上げて花の天井を作ると迫力が出て、中望遠で房のリズムだけを圧縮すれば上品にまとまります。夕方の斜光や逆光は透過光で房の立体感が増し、少しアンダーにすると色が締まる。足元の落花、苔、手水鉢など“小物”も季節の余韻に効きます。混雑時は上方向だけで人を切り、絞りを変えて背景の屋根をどこまで見せるか追い込みたい藤スポットです。雨粒で色が深まる日も当たりで、防滴か簡易カバーがあると安心。開放で玉ボケを作るか、F8前後で棚の梁まで見せるか、狙いを決めて撮り切りたいです。