井田の大グス

井田の大グスは、巨木らしい太い幹と四方へ広がる枝葉が圧巻のクスノキで、常緑の濃い緑が一年を通して画面を引き締めます。広角ローアングルで根元から見上げると迫力が出て、望遠で樹皮の裂け目や枝分かれを切り取ると時間の厚みが写ります。新緑の頃は若葉の明るさが爽やかで、夏の夕方は木漏れ日が幹を立体的に。雨上がりは葉の艶と幹肌が際立つ狙い目ですが、足元は滑りやすいので注意。周囲の石段や祠を入れると、土地の信仰と結びついた“場所の写真”になります。葉の影が顔になるので、曇天は立体感が弱いぶん、枝ぶりのラインを意識して整理。広角で近づき過ぎると幹が歪むため、少し引いて水平を丁寧に取ると品よく仕上がります。