日出の大サザンカ

大分県日出町の日出中学校校内に立つ「日出の大サザンカ」は、樹齢400年以上といわれる県指定天然記念物で、町の花・木にもなっているシンボルツリーです。もと日出藩の武家屋敷だった場所に根付き、晩秋から冬にかけて樹冠いっぱいに白地に紅を差した花を咲かせます。校舎や石垣を背景に、降りしきる花びらや足元の花の絨毯を切り取れば、時代を超えて受け継がれる風景として印象的な一枚に。曇天の柔らかな光や、雨上がりのしっとりとした質感を生かすと、花弁のグラデーションがより繊細に写ります。冬の澄んだ青空と花のコントラストも美しく、望遠で背景を整理すると、ひとつひとつの花の表情が際立ったポートレートになります。