竜王峡

竜王峡は、福岡の山あいを流れる清流が花崗岩の岩肌を削り取って生まれた小さな渓谷。エメラルドグリーンの淵と白い瀬、奇岩のリズムがコンパクトに詰まっている。遊歩道や河原から俯瞰とローアングルを撮り分けられ、PLとNDで反射と流れをコントロールすると階調が締まる。新緑と紅葉、霧や小雨の日は特に立体感が増し、長秒露光で静かな時間まで写し込めるスポットだ。夕方は斜光が谷をなで、水面に伸びるハイライトと岩の陰影が美しいので、三脚を低く構えてじっくり構図を探したい。夏は木漏れ日が水面を点描のように照らし、冬は澄んだ空気で岩肌のディテールが際立つ。