兜岳

屏風のような岩壁が特徴の鋭い山容で、隣の鎧岳と対をなす景観が絵になる。春は新緑が岩肌を柔らげ、初夏は朝霧が谷に滞留、秋は紅葉が断崖の線を際立たせ、冬は薄雪が造形を強調。離れた地点から中望遠〜望遠で圧縮すると岩壁の迫力が増し、集落や畑を前景に入れるとスケール感が出る。夕刻の斜光や月明かりの長秒も相性が良く、稲架や石垣を添えると土地の物語が伝わる。朝夕の斜光は岩の凹凸に影を落とし立体感が際立つ。星景は谷筋の稜線をシルエットにして長秒で。偏光は岩肌よりも手前の葉の反射整理に活かし、彩度を抑えめに仕上げると上品。