旧藏内邸

築上町の旧藏内邸は、筑豊の炭鉱王・藏内家三代が暮らした豪奢な本邸で、主屋と庭園が国指定名勝。池泉回遊式庭園を見下ろす大広間の縁側に腰掛け、広角で畳と障子越しの庭を収めると“和の迎賓館”らしい奥行きが出ます。応接間の天袋や組子障子、金唐革紙など細部の意匠は中望遠で寄るとモダンさが際立ち、光の当たり方でまったく表情が変わります。外観は隣接する貴船神社の鳥居や田園を背景に入れると、地方財閥邸宅のスケールと土地の暮らしが一枚に同居。曇天や雨上がりのしっとりした光がおすすめです。