月夜見宮

伊勢市駅から歩ける距離にありながら、外宮別宮らしい静けさに包まれる月夜見宮。天照大御神の弟神・月夜見尊を祀る社殿は、樹齢数百年の楠に囲まれ、広角で鳥居と神路通の直線を入れると“月の社”らしい奥行きが出る。夕方は西日が玉砂利を斜めに照らし、陰影が柔らかく伸びる時間帯が狙い目。雨上がりは苔と木肌が発色し、市街地とは思えない森のトーンで夜の参道をしっとり描ける。外宮参拝の行き帰りに立ち寄れば、伊勢の一日を光の変化とともに物語としてまとめやすい。街の喧騒から一歩で切り替わる境界を意識して、鳥居の内外を対比させるカットもぜひ押さえたい。