共保公出生の井戸

伝承をまとった井戸は、縁の石組みや苔、落ち葉の溜まり方までが“時間”として写る静かな被写体。のぞき込むと水面が空や枝を小さく映し、風が止まれば鏡、そよげば水紋の模様になる。雨上がりは石が黒く締まり、滴が玉ボケの種に。春は若葉の反射、夏は深い木陰、冬は澄んだ空気で階調が素直。広角で社叢と参道を入れて物語を作り、標準〜マクロで苔の粒や濡れた石肌を狙うと濃くなる。逆光は白飛びしやすいので露出控えめ＋RAWが安心。静けさを壊さない距離感で。夏の昼は暗くなりがちなので、朝か夕方の柔らかい光がベスト。縦構図で井戸縁から空へ抜くと印象がまとまる。