井原山のオオキツネノカミソリ

脊振山系の花の名峰・井原山は、夏になると登山道沿いにオレンジ色のオオキツネノカミソリが咲き乱れる九州最大級の群生地です。水無登山口から林間歩道を登ると、やがて足元一面が花の絨毯となり、葉を落とした細い茎と花だけが浮かぶ独特の光景に出会えます。広角で群落と森を大きく入れれば、稜線へと続く道のスケール感が強調され、望遠で一部を切り取れば、揺れる花のリズムだけを抽象的に表現できます。早朝や薄曇りの日は花色が飽和せず、柔らかな光が森の奥行きと群生の密度を美しく描いてくれます。保護活動が続くデリケートな群生地なので、木道や登山道から外れず、望遠やマクロでそっと狙うスタイルが安心です。