昇龍の松

昇龍の松は、地を這うように伸びた幹が途中から空へ向かって立ち上がる姿からその名がついた一本松で、まさに龍が舞い上がるような独特のシルエットが魅力です。ローアングルで幹を画面の対角線に通すように構えれば、力強いラインが強調されます。背景に海や社殿、夕焼け空を選べば雰囲気はがらりと変わり、カラーでもモノクロでも作品になる“線の被写体”として楽しめます。近くから枝ぶりの一部だけを切り取れば、龍のウロコのような葉の質感にフォーカスした抽象写真にもなります。晴れた日の日中は力強い陰影を、曇天や霧の日には柔らかいトーンを狙い、一本の松で“線の表現”をとことん追い込める通好みの被写体です。