若宮家庭園

若宮家庭園は、池と築山、苔むす石組と茶席がコンパクトにまとまった和の庭。無風の朝は水面の映り込みが端正に決まり、飛び石や灯籠をリーディングラインに据えると奥行きが生まれます。新緑は瑞々しく、紅葉は水面に色が落ちる。書院の柱を額縁に、露出をやや抑えめに整えると品の良い一枚に仕上がります。薄曇りは材や苔の階調が美しく、雨の日は砂紋が深く息づく。PLで反射を調整し、水面はシャッター速度を微妙に変えて最良の揺らぎを探りたい。人の気配は背中だけを小さく添えると物語が立ち上がる。三脚が使えない場面は高感度で息を止め、静けさを乱さず丁寧に。