雲月山

島根と広島の県境に広がる雲月山は、山頂まで続く草原のなだらかな斜面と、360度の大パノラマが特徴。樹木が少ないため空が大きく、春の山焼き後は一面の新緑、夏はギボウシやキキョウが点在し、秋は斜面を覆うススキが銀色に輝く。冬は一帯が白いキャンバスとなり、風紋がグラフィカルな被写体に。広角で空と大地の曲線を大胆に捉え、望遠で大山や日本海方向の峰々を圧縮するとスケールが増す。雲の影が斜面を走る様子は動画や低速シャッターでも表現したい。山焼き後や積雪期は足跡が画面を乱しやすいので、踏み跡の少ないエリアを探し、曲線が美しくつながるラインを意識して立ち位置を決めると、ミニマルな作品に仕上がる。