大沢・上大沢の間垣集落景観

能登の海風から家々を守る竹の間垣が、路地に沿って連なり独特のリズムを作ります。縦位置で格子の反復を強調し、広角で曲がる路地を導線にすると奥行きが出る。冬の薄雪や曇天は色が落ちて質感が締まり、夕方の斜光は竹の陰影がくっきり。初夏は青葉が背景になり、雨上がりは濡れた竹が艶を帯びます。寄りで編み目や古材の傷、錆びた金具を拾うと暮らしの時間が写り、望遠で圧縮すれば壁の層が重なって画面が強くなります。路地の先に海の青を小さく入れると土地感が出て、朝の柔光はコントラストが穏やかで撮りやすい。夜は民家の灯りが点景になり、静かなスナップにも向きます。