銀花荘

落ち着いた佇まいの建物は、窓の反復と軒の影がつくるリズム、そして灯りのにじみが撮りどころ。広角で外観を端正に押さえつつ、路地や植栽を少量入れて“場の温度”を足すと旅情が出る。室内に入れるなら廊下の消失点や階段の曲線を狙い、標準域で水平をきっちり取るのがコツ。中望遠で格子、照明、看板文字、金具、木の艶を切り取ると密度が上がる。曇天は階調が柔らかく、雨上がりは路面反射で一気に映画っぽい。夕方〜ブルーアワーは灯りと空色が相性抜群で、人物を点景に入れるとスケールと“滞在の気配”が伝わる。最後に濡れた石や水滴の寄りを一枚挟むと締まる。