東大寺二月堂閼伽井屋

東大寺二月堂閼伽井屋は、石組みの井戸と小さな屋根付きの建物が一体となり、二月堂周辺の写真に静かなアクセントを与えてくれる存在です。古びた木組みと苔むした石畳、手水鉢に落ちる水音が、堂前の賑わいとは違う緊張感を生みます。二月堂の回廊や階段を背景にぼかして入れれば、修二会の舞台裏を支える“水の気配”まで画面に滲ませることができます。石の縁に沿って落ちる水流をスローシャッターで撮れば、柔らかな白い筋となって画面に現れ、周囲の苔や落葉の色を引き立てます。二月堂のお水取りの時期には、行き交う僧や参拝者の足元だけをフレームに入れることで、行事を支える静かな場としての表情も切り取れます。