松下村塾

萩の松陰神社境内に残る松下村塾は、わずかな畳敷きの小屋に維新の志士たちがひしめいた空間。現在は内部立ち入り不可なので、縁側越しに低いアングルで撮り、土壁や柱の傷、窓越しの光で“時間”を描きたい。周囲の土塀や長屋門、松陰神社本殿も含めて散策すると、塾だけでは見えないスケールが写る。曇天や夕方の柔らかな光がよく似合い、モノクロ仕上げにすると一層物語性が増す。幕末の志士像や案内板も前景に使えば、歴史のレイヤーが分かりやすい。城下町スナップと組み合わせれば、一日で“萩の時間”が撮りきれる。標準ズーム一本で十分戦える撮影地だ。