大本山玉蔵院

奈良町エリアにほど近い大本山玉蔵院は、白壁と瓦屋根、回廊がつくる直線が美しいお寺。広角で中庭を囲む回廊を低く入れれば、柱の繰り返しが自然なリーディングラインになります。曇天や雨上がりは苔と木肌の階調が豊かで、障子越しの光も柔らかい。中望遠で瓦の反復や釘隠し、小さな石仏を寄れば、町とともに積み重ねてきた時間の厚みまで静かに写し込めます。人影が多い日は、あえて足元や手元だけを切り取ると、暮らしに溶けた寺の表情が浮かび上がります。路地越しの外観や門前の石標も押さえておくと、フォトブックにしたときに“街から寺へ入っていく流れ”がきれいに組み立てられます。