喜光寺

奈良の喜光寺は、どっしりとした本堂と前庭の池が特徴で、堂のシルエットと水面の映り込みを狙うだけで画になる撮影地です。広角で池越しに本堂を捉えれば、水に揺れる瓦屋根と雲が自然なシンメトリーを作ります。初夏は蓮やスイレンが前景を彩り、秋は紅葉が水面に色を落とし、冬は澄んだ空気で輪郭がくっきり。曇天や雨上がりには木部と石が黒く締まり、落ち着いたトーンでまとめやすくなります。中望遠で欄間の意匠や瓦の反復、石仏の表情を寄れば、東大寺ゆかりの歴史を感じさせる一枚に。夕方の青い時間も美しく、灯りがともる本堂を水鏡越しに静かに切り取りたい場所です。