重願寺

暮らしの近くにある静かな寺だからこそ、日常と祈りの距離感を写せる。山門や石畳は引き算の構図が決まりやすく、35〜50mmで余白多めに撮ると品が出る。春は柔らかな光、夏は木漏れ日の玉ボケ、秋は落ち葉が自然な前景に。雨上がりは石が黒く締まり、手水の水滴や線香の煙を寄りで拾うだけで季節が写る。影が深い日は露出を抑え、現像でシャドーを戻すと雰囲気が崩れない。境内の塀や屋根の影を大胆に入れると渋く、雨傘や自転車など生活の点景を少し残すと千葉の空気が出る。人を点景に入れて“町の寺”らしさを。帰り際に山門を振り返って一枚。