日枝神社(沼津市平町)

沼津の街なかにあり、商店や住宅の気配と神域が背中合わせになる日枝神社。鳥居を広角で引いて、電線や路地をあえて少し残すと“港町の日常”が写ります。標準で拝殿を端正に、望遠で扁額の文字、狛犬の欠け、鈴緒の繊維を寄って密度を。雨上がりは石畳が黒く艶を帯び、反射が小さな水鏡になる。夕方の逆光は鳥居の縁が光り、青い時間は境内灯と街灯の二色がしっとり混ざる。春は若葉、夏は祭りの提灯、秋は落ち葉で背景が整理、冬は澄んだ空気で輪郭がシャープ。人影を少し低速で流すと、街の喧騒の中に静けさだけ残せます。潮風でくすんだ金具の質感も寄りで狙いたい。