弘仁寺

古都奈良の山里に佇む弘仁寺は、石段と白壁、古木の影がつくる静かなグラデーションが魅力。薄曇りは木造と石の階調が粘り、雨上がりは苔が深緑に沈んで渋い。24〜35mmで参道の消失点、50mmで歪み少なく堂宇を端正に、望遠で瓦の層・金具の擦れ・香炉の煤を圧縮。春は若葉、秋は落ち葉を前景に置くと季節感が簡単。夕方の側光で刻字が浮き、ブルーアワーは灯りが点で効く。モノクロなら石と影がさらに気持ちいい。参拝者を小さく点景に入れるとスケールも伝わる。濡れ葉の反射はC-PLで整理、白壁の白飛びに注意して少しアンダーが安全。