笠森観音

大岩の上にそびえる観音堂は、61本の柱で支える四方懸造という唯一の建築。下から見上げれば“柱の森”の迫力、回廊からは房総の山並みが広がり、広角と望遠で別の顔を撮れます。新緑は影が柔らかく、紅葉期は色が堂を額縁に。朝夕の斜光で木組みの凹凸が立つので、柱の反復をリズムにして対称構図を狙うと一気に締まります。雨上がりは岩と木が艶めき、PLで反射を整えると渋さが増す。回廊の手すりや柱の列を斜めに走らせると導線が強く、人物を一点入れると高さ感も出る。霧や小雨の日は岩と堂がふっと浮き、空の白が背景になって構造がさらに際立ちます。