本能寺

本能寺の変の記憶を抱えつつ、現在は町なかに端正に佇む寺。境内はコンパクトだからこそ、石碑・供花・瓦の反り・格子の線を丁寧に拾うと“歴史の一点”が立ち上がる。曇天は階調が粘り、雨上がりは石が黒く締まって渋い。広角で山門と空を整理し、標準で回廊や庭の余白、望遠で刻字の陰影や燈籠の苔、線香の煙を寄りで。信長公を偲ぶ供養塔まわりは背景を整理して静かに撮ると響く。春は桜、秋は紅葉が差し色になり、夕方〜青い時間は街灯が点景に。人が多い日は1/2秒で人影を流して静けさを残すと京都らしい。モノクロも相性◎。35mmと85mmが便利。