來宮神社

熱海の街中にありながら、境内に入ると大楠の圧で空気が変わる來宮神社。樹齢二千年級といわれる巨木は、幹肌のうねりと根回りが被写体そのもの。広角で見上げて樹冠まで入れ、人物を小さく点景にするとスケールが伝わる。夕方は斜光で皺が立ち、雨上がりは幹が黒く艶めいてマクロが止まらない。社殿は標準で端正に、鈴緒や絵馬は中望遠で静かに。人が多い時間は、手水の水紋や石畳の反射を拾えば混雑を消せる。夜のライトが入る日は露出を抑えて影を残すと、巨木が一段神秘的に写る。楠の周りを一周する参拝者の動きを少しブレで残すと、祈りのリズムも写せる。